現在は眼が疲れやすい環境にあります。眼の疲れは自律神経の乱れに繋がりますので、健康に悪いのは間違いありませんし、眼の疲れは脳も疲労しますから、ウツ症状も引き起こしかねません。
眼が疲れる原因として
| 眼が疲れる原因 |
| 1.外環境に原因するもの |
・有害光線
・照明の不良 など |
| 2.内環境に原因するもの |
・身体の不調
・ストレス
・体質的要素 など |
| 3.視器に原因するもの |
・屈折異常(遠視、近視、乱視)
・調節異常(老視)
・斜位(視線のズレ)
・輻輳力が弱い(眼を内側によせる力)
・不同視(左右の度数が大きく異なる)
・不適切なメガネ
・眼部疾患 など |
などがあります。
眼の疲れの原因が一つに特定できる場合もありますし、特定できない場合もあります。色々な要素がからみあっている場合もあります。
たとえば、女性のかたで更年期の年代になりますと、ホルモンのバランスが崩れてきて、不定愁訴がでてきやすくなります。
身体の不調に加え、その上、老眼も加わって近業作業に必要な眼の力「
輻輳力(眼球を内側に寄せる力)」も衰えてきます。
他に
斜位など視器に関する問題もでてきやすくなります。
お仕事でパソコン作業などを長時間強いられるかたは、たまったものではありません。
これでは、身体(眼)が悲鳴をあげます・・・・。
ここでは私の専門であります視器に原因するものの内、「
斜位」」と「
輻輳力」についてお話したいと思います。
まず、斜位のお話から
「
斜視」というのを御存じでしょうか。斜位は斜視に似ていますけど、違います。
| 斜視と斜位の違い |
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眼位(外観) |
両眼視機能 |
| 斜視 |
眼位異常が顕在しています。
見た目にもかなり顕著な眼位異常が見受けられます。 |
両眼視の異常があります。
両眼でものを見ることはほとんどなく、片眼でものを見ます。使わない(使えない)方の眼が偏位します。偏位眼は右眼なら右眼が常に偏位している「片眼斜視」と、左右眼が交代に偏位する「交代斜視」があります。 |
| 斜位 |
眼位異常は潜在しています。
見た目にはほとんどわかりません。 |
両眼視は保たれています。
両眼でものを見ることができますが、潜在している眼位異常によりスムーズな両眼視機能が発揮できません。 |
斜位の場合、眼位異常が潜在しているということは、詳しい検査をキッチリしないと潜在している眼位異常が発見できないということなんです。
斜位には偏位の方向によって、種類があります。
| 正常眼位 |
 |
正常な状態です。遠方を見たとき視線はほぼ真っすぐです。
片眼をおおっても眼位の偏位はありません。 |
| 斜位の種類 |
斜位のかたの眼位です。下図は右眼をおおったときの眼位です。両眼で見れば視線はほぼ真っすぐに見えますが、右眼をおおってしまえば右眼が偏位しています。(斜位の程度などにより、両眼で見ていても偏位して見えるかたもいます)
片眼をおおわなくて、両眼で見ても偏位している眼は斜視です。 |
| 外斜位 |
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外側(耳側)に偏位しています。 |
| 内斜位 |
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内側(鼻側)に偏位しています。 |
| 上下斜位 |
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上側(額側)に偏位しています。 |
斜位は潜在している眼位異常があっても両眼視ができるのは、人間の眼には「
融像」と言って、左右の網膜に映った像を一つにまとめて、単一視する機能が備わっているからです。
すなわち、斜位の眼位異常は
融像する眼の力によって、矯正されています。
ということは、両眼でものを見ている限りは、常に斜位を矯正しようとする
融像力を働かせないといけないので、眼精疲労が生じる場合が多くなります。
斜位による眼精疲労は、斜位の程度や、斜位の種類、融像力の幅や健康状態、仕事の種類などにより、左右されます。おおまかに分類しますと
| 斜位の種類による、眼精疲労 |
| 外斜位の場合 |
・パソコン作業や、読書のときに眼が疲れやすくなり、時々モノが
二つに見えたりするときがあります。
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| 内斜位の場合 |
・車の運転が困難になる場合があります。遠方視での眼精疲労、
近業時における不快感などがおこります。 |
| 上下斜位の場合 |
・頭痛、肩こり、首の疲れ、などがおこります。
しょっちゅうモノが二つに見えることもあります。
斜位の中でも最も、眼精疲労が激しいです。 |
そのため斜位で眼が疲れやすいかたは、一般的な度数検査だけでは無理なのです。
斜位の種類や程度に合わした細かい度数合わせが必要になります。
また、斜位を矯正する「
プリズムレンズ」を上手に駆使してメガネ調製をしなければいけません。
斜位の種類により、融像力を鍛えるトレーニグが有効な場合も少なくありません。
40歳を超えているかたは、「
加齢による眼と視機能の変化」もご覧ください。
・プリズムレンズの写真です。
プリズムレンズを通過する光線は、基底(レンズの厚いほう)に進行方向が曲げられます。
像は頂角のほうにズレて見えています。
このプリズムの原理を応用し、
外斜位には、基底が内に向く方向(ベースイン)に、内斜位には基底が逆の方向(ベースアウト)に入れます。
・プリズムレンズに関して『こちら』(←クリック)にもどうぞ。
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プリズムレンズは、眼の視線の向きを変えるために使用されるレンズです。 |
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←斜位を検査する道具です。
これらの検査道具を駆使して、丁寧に検査をしていきます。
独自に開発した道具もあります。
・検査に関しては『こちら』(←クリック)にどうぞ。
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自店が平成19年4月に
プリズム矯正で、視機能が向上して喜んでいただいた事例です。
事例 1
30歳代のかたです。
メガネ枠が破損されて、当店にご来店されました。
このかたはお得意様で、10歳代のときから当店をご利用いただいております。
それまではすべて眼科で発行された、眼鏡処方箋でメガネを調製していました。
それが、今回はメガネが破損されたので、当店で検査することになりました。
以前掛けられていた度数は
平成11年眼科調製度数
R(右眼) S−2.00D C−3.50D Ax180
L(左眼) S−2.00D C−3.00D Ax180
(Sは近視度数、Cは乱視度数、Axは乱視軸)
平成13年眼科調製度数
R S−2.50D C−2.50D Ax180
L S−2.50D C−3.00D AX180
平成16年眼科調製度数
R S−2.25D C−3.00D AX180
L S−2.50D C−3.00D Ax180
平成16年のメガネでは、「パソコン作業が疲れる、近くの字が見えづらい」との訴えがありました。
平成19年4月当店測定度数
R S−2.25D C−2.75D Ax6 1.0△ B.O.
L S−2.00D C−3.00D Ax2 1.0△ B.O.
内斜位があります。
(△はプリズム度数、B.O.は斜位方向)
内斜位のあるかたで、近視のかたは疲れがでてきやすいです。
それで、調製度数は
R S−1.75D C−2.75D Ax6 0.5△ B.O.
L S−2.00D C−3.00D Ax2 0.5△ B.O.
で仕上げました。
度数を弱めたのは以前のメガネでは近業作業が辛かったので、近用での検査をして、近業が楽に見える度数にしたからです。
もちろん、度数を弱めることによって、遠方はやや見えづらくなりますが、このかたは車の運転はしないのでまったく問題はありませんでした。
それと、このかたは内斜位があるので、近視度数を弱めた方が好都合なのです。
融像力も弱いかただったので、プリズムで眼位を上手に整えました
乱視の軸も、正確にキッチリ合しましたので、モノの見え方もスッキリします。
お渡しのときに「うわー、楽です。眼科ではこんなに丁寧に測ってくれたことはなかったです。助かりました」とおっしゃっていただけました。
(このかたは眼科にも定期的に診察をうけているかたで、このメガネを調製後に眼科に診察にいかれました。
その眼科の検査員さんに、「当店の調製度数に、なにやら問題がある」ような言い方をされたとかで、当店からその検査員さんに、調製度数の説明と上記のことについてお尋ねしてみました)
こちらを↓クリックしてください。
「
眼科への調製度数説明書」
事例2
60歳代のかたです。
「信号が二段に見えることがしょっちゅうある。車の運転が怖い」との訴えです。
モノが急に二重に見えだしたときなどには、脳にトラブルがある可能性もありますので、まず、病院で脳の精密検査をお願いするとこもありますが、それまでの経緯をお聞きすると、随分以前からこのような状態で過ごしておられたそうです。具合が悪いときは片目をつぶって、しのいでいたとのことです。
検査させていただいたところ、上下斜位がありました。
それで、モノがしょっちゅう二重に見えていたわけです。
調製度数は
R S+0.50 C−0.75D Ax88 1△B.D.
L S+1.00 C−1.00 Ax90 1△B.U.
で仕上げました。
後日、フィッティング調整にご来店になりました。
具合をお聞きしましたら「いままでは、信号などが二重に見えて車の運転が怖かったけれど、このメガネを掛けるとモノがきちんと一つに見えるので安心です。特にバック運転は、片目をつぶらないとまったくできなかったのに、このメガネを掛けると両眼で見ることができます。快適です」とおっしゃっていただけました。
上下斜位がモノが二重に見えやすいのは、眼の融像力は上下方向には弱いからです。わずかな上下斜位でも疲れることがありますし、このかたのようにモノが二重に見える確率も上下斜位が多いのです。
メガネ作りに、上下斜位の見落としは絶対によくないのです。
輻輳力について
眼の視機能を最大限発揮しなければいけない時は、「近くの物を見るときです」。
近方視の
眼球運動が円滑にできなければ、能率的かつ柔軟な視機能が発揮できません。
近方視の眼球運動が滑らかに行えない原因の一つに、「輻輳力が弱い・・・」ということがあります。
輻輳力が弱いと、
・首、肩がこってくる。
・時々めまいがする。
・頭が重たくなる。
・こめかみのところが痛くなる。
・目の疲れがはげしい。
・目が重くなる感じがする。
・目の奥が痛くなる。
・なみだが出る。
・目が乾いた感じがする。
・充血する。
・見つめていると画面がぼやけてくる。
・遠くのものにピントが合いづらくなる。
・近くのモノが見えづらくなる。
・段々と集中力がなくなってくる。
・気が滅入ってくる。
・イライラしてくる。
・怒りっぽくなってくる。
などの症状がおきてきやすくなります。
結果、
近見作業に支障をきたし、パソコン作業が苦手になり、読書もイヤになり、携帯電話の画面を見るのが辛くなります。
これでは、現代の日常生活では困ることになります・・・・。
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・当店は、近見でなんらかの問題があるかたは、近見での眼位(視軸の向き)を丁寧に測定いたします。
←輻輳力の検査をしています。
眼球がスムーズに寄り目になるかどうかの検査です。
眼球の動きを細かく観察します。 |
輻輳力と
調節力は、年齢と共に減少します。
輻輳力と調節力は連動しています。
調節をすると、輻輳します。輻輳をすると調節します。
10代のころは、多少輻輳力が弱かったとしても、それを補う調節力があれば、問題は起きません。
しかし、20代になると、調節力が弱ってくるので、カバーすることが難しくなります。
「10代のころは、なんともなかったけど、最近近くのものが・・・・」と訴える、20,30代のかたも少なくありません。
当店は、 輻輳力が弱いかたには、輻輳力が滑らかに動くようなメガネを調製していきます。
また、輻輳力を鍛えるトレーニング方法もアドバイスしていきます。