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近視で内斜位について

近視で内斜位

そもそも近視のかたは、外斜位になりやすいです。
その理由は調節力輻輳力のバランス(連動)が悪くなるからです。




近視のかたが、裸眼で近見視をすれば、正視のかたよりも調節力が少なめですみます。
近視度数や近見距離によっては無調節で近見視ができます。

調節機能を節約すれば、調節性輻輳の働きが悪くなり、眼位ズレが起きることがあります。

近視のかたは輻輳不全になりやすく、外斜位になる確率が高いです。

近視のかたには、多くのかたに多かれ少なかれ外斜位が存在する事実もあります。多少の外斜位があっても、内直筋の働きで問題のないかたも少なくありません。(内直筋の働きが弱いかたもいます)

「近視で軽い外斜位」は正常範囲と言ってもいいぐらいです。


しかし、「近視で内斜位」は問題が発生しやすいです。
・眼精疲労
・物が時々に二重に見える
・遠近感が悪くなる
など。

内斜位を補正する役目である外直筋の作用は、内直筋に比較して弱いからです。
脳は基本的に複視を避けようとしますが、力の弱い外直筋は悲鳴をあげます。
その悲鳴は身体の悲鳴に繋がります。

 眼球運動をつかさどる筋肉を「外眼筋」といいます。
外眼筋は、4つの直筋と、2つの斜筋で構成されています。

内直筋は主に内転および輻輳運動を行う筋肉で、眼筋の中では一番大きく、その作用も外直筋よりも強いです。

しかし、外直筋の作用は、内直筋に比較して弱いです。
だから内斜位のほうが問題が起きやすいです。

上下筋は、さらに弱いです。上下斜位のあるかたは、正常な眼球運動が阻害される確率が高くなります。
 
 
19 外直筋
20 内直筋
21 上直筋
22 下直筋
23 下斜筋
24 上斜筋
正常な両眼視機能は、両眼の眼球運動が正常に働くことが条件です。
  ←正面を見ている眼位です。
 
両眼離反運動(よせ運動) ←寄り眼をしています。内直筋を使い「輻輳」をしています。

通常、寄り眼は簡単にできます。
(輻輳力が弱いかた、片眼の輻輳が苦手なかたなどもいます)
 
両眼離反運動(よせ運動) ←眼球を外側(耳側)に寄せる力を「開散力」と呼んでいます。

開散力は、輻輳力に比較して弱いです。

これほど、両眼の眼球が同時に外側に向く人はいません・・・多分。
(片眼が外側に向く外斜視のかたもいます)
では、なぜ近視で内斜位になるのでしょうか?
外眼筋のメカニズムから考えると、内斜位になるのは不自然なことです。
なぜ、輻輳過多開散不全になるのか。

その原因として

1、幼児の時に遠視があり、眼位は内斜位だった。成長して屈折状態は正視になり、やがて近視になった。

遠視
がなくなり輻輳をする必要はないのに、脳が輻輳をしなければいけないと誤った判断をしてしまい、輻輳過多になる。

2、普通の近視だったのだが、精神的なストレスなどが加わり、外眼筋のメカニズムにトラブルが生じた。

3、交通事故による後遺症で内斜位になった。

4、全身病などにより、外眼筋に異常が発生した。

推測も交えて、こんなところでしょうか。

いずれにしまして、外傷的因子は別としてハッキリとした原因がわからない近視内斜位は、矯正するのもトレーニングをするのも外斜位よりも難しいのは間違いありません。

遠視の眼は絶えず眼の筋肉を使って調節をしている眼です。(未矯正の場合)遠くを見るときも調節しますし、近くものを見るときはもっと調節します。

調節に伴って、両眼が内側に寄る眼球の動き(輻輳)がおこります。
近くのものを見るために強く調節すると、強く輻輳されます。

すると、強い輻湊のために「調節性内斜視」になる恐れもでてきます。(お子様の場合)
 
 遠視とは、眼が全く調節を行っていない(例えば無限遠方を見ている)ときに、眼に入る平行光線が網膜より後に結像してしまう状態をいいます。

この状態では、ものがハッキリと見えませんので、調節機能で焦点を網膜上にもってくるようになります。

常に毛様筋を使い眼が緊張しているため、眼が疲れやすくなります。

5メートル視力表での視力測定の結果がいいから正視だと勘違いしている人もいるようですが、視力1.2以上の人の中には、正視の人の他に遠視の人もいるので注意が必要です。

事例 1


30代のA様

5年位前から眼精疲労があったそうです。
1年前に眼科で内斜視と診断され、「今後良くはならない。メガネで矯正するようと言われた」とのことです。

車の運転では信号はいくつもにも見えたりして危ないので、時々片目で運転していたそうです。

5mでの基本度数は、
R Sー0.75D C−0.25D Ax15
L Sー0.50D C−0.25D Ax170
(SはSpherical、遠視、近視の球面度数。DはDioptre、曲光力、度数の単位。CはCylindrical、円注、乱視度数。
AxはAxis、乱視軸)
眼位(視軸の向き)は、内斜位 12.0〜13.0△B.O.(ベースアウト)。
(△はPrism dioptre。BOはプリズムのベース方向)

強い内斜位があります。複視が発生していたのも無理はありません。

近見眼位は 9△B.O.

プリズム矯正量は、遠見、近見内斜位量、融像力などを考慮に入れて決めていきます。
プリズム量は少な目のほうが違和感が少ないのですが、A様は車の運転をされています。
プリズム量が少なすぎると、複視が発生する確率が高くなり、交通事故の危険が高くなります。

慎重にプリズム量を検討し、装用テストの結果、両眼10.0△に決定しました。

調製度数は、
R Sー0.50D C−0.25D Ax15 5.0△B.O.
L Sー0.25D C−0.25D Ax170 5.0△B.O.

内斜位を矯正するベースアウトプリズムは、「壁や床がへこんで見える。奥に後退して見える」などの空間視の違和感を感じる場合があります。

A様もその違和感を感じていましたが、「これぐらいであれば」ということで、メリット>デメリット選択をしていただきました。

A様はメガネを掛けることが初めてだったので「前眼鏡との比較」を考慮に入れなくてよかったので、その点では幸いでした。

後日、メガネを受け取りにご来店されました。
「よく見えます」とおっしゃっていただけました。

内斜位のかたの視機能トレーニングの方法をご説明して、トレーニンググッズもお渡ししました。

今後、眼位の変化も考えれられますが、当店が責任を持って対応していきます。


1年前にA様を診断された眼科は眼鏡処方箋を発行しませんでした。
この眼科は「メガネ屋でできる処方は、メガネ屋に委ねよう」との姿勢です。

眼鏡技術者として真面目にメガネ店を営んでいる私にとっては、とてもありがたいお考えです。
拍手を送ります。

A様は良い眼科を受診されました。

不自然な外眼筋の働きをする近視内斜位のプリズム矯正は、眼科での対応は難しいと思います。
プリズム矯正が経験豊富なメガネ屋に相談されることをおすすめします。

  
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