事例4 香川県からお越しになられた30歳代のD様 「大型免許を取得するために深視力検査を受けたが、三桿計の棒が動いていることすらもわからない」とのことです。 当店での検査 両眼開放屈折検査での基本度数(5m)は、 R S+3.75D C−0.75D Ax180 L S+3.75D C−0.25D Ax180 眼位(視軸の向き)は、 十字テストで内斜位 5.0△B.O. 濃いカラーテストで5.0△〜6.0△B.O. 精密立体視検査は、不良でした。 ご使用中のメガネ度数は R S+4.25D C−1.25D Ax179 L S+4.75D C−1.25D Ax180 プリズム矯正はしていませんでした。 D様は、間歇性抑制があり、眼位も非常に不安定でした。 矯正視力(メガネを掛けての視力)もやや弱く、両眼で0.8。 間歇性抑制+内斜位+立体視不良+矯正視力不良。深視力試験には厳しい条件です。 しかし、「やれるだけのことはやってみる」というのが私の信条ですから、諦めるという選択肢はありません。 それで、内斜位を矯正する5.0△B.O.を装用して、三桿計でトレーニングをしたところ、棒の動きも良く分かるし、成績優秀でまったく問題ありません。 これは、おそらく両眼開放屈折検査そのものが眼のトレーニングにもなっている面もあるので、すんなり深視力がクリアできたのでしょう。 もちろん、適切な度数と適切なプリズム矯正が功を奏しているのは間違いありません。 D様も自信を持って、「これなら大丈夫」と。 しかし、成績が良すぎるのも、どうも不安がありました。 調製度数 R S+3.75D C−0.75D Ax180 2.50△B.O. L S+3.75D C−0.25D Ax180 2.50△B.O. 後日、D様からお電話がありました。「深視力、ダメでした」。 あんのじょう不安が的中しました。 それで、再度ご来店いただくことになりました。 お訊きしますと、試験は「覗き込みタイプの三桿計での試験でダメだった」とのことです。 覗き込みタイプは、日常とはまったく違う不自然状態での試験ですから、間歇性抑制のあるD様には向いていません。 (視力等に問題のないかたでも、覗き込みでの試験は難があると思います) ↑覗き込みの三桿計 D様には、「覗き込みでの試験は拒否して、開放式で試験に臨んでください」とアドバイスをしておくべきでした。 今回、再度時間をかけてじっくりと開放式の三桿計でトレーニングをしました。 視機能を高めるトレーニング方法なども、キッチリとご説明をしました。 やはり、開放式三桿計での成績は優秀でした。 ↑開放式の三桿計 おそらく、次回は開放式で問題なく合格するでしょう。 もし、ダメだったとしても、トレーニングのやり方を工夫するなどして、D様には必ず合格していただきます。 後日、 高知に来られた折に、当店にお立ちよりいただきました。 「無事、合格しました」とのご報告をいただきました。 よかった。よかった。 D様は、子供のときから遠視で、視力も弱かったのでしょう。アイパッチでのトレーニングもしていたそうです。 しかし、「眼位に関しては、なんら矯正はされていなかった」可能性が高いと思います。 少なくとも、今まで掛けられていたメガネは、内斜位の矯正はしていませんでした。 もし、遠視の矯正と眼位の矯正を適切にやっておけば、視力が弱くなることもなく、立体視も正常で、遠近感も問題なかったのでは、と思います。 子供の遠視は、近視の人間とはまったく違う考えを持ってください。 「遠視は、弱視になる可能性が高くなる」、「遠視は、内斜位になる可能性が高くなる」と、考えて大人になるまで、いや大人になっても眼の状態を定期観察をし、適切な矯正をするべきです。 大型免許取得の目的が当店にご来店いただくきっかけになったD様。今後の視機能を考えれば深視力検査で引っかかったことがラッキーだったのではないでしょうか。 今までの視機能では、普通免許でも交通事故を起す危険性が高かったですから。 なお、D様が掛けらていたメガネは、ナイロールフレームで、随分中心が分厚いレンズになっていました。 D様は、遠視ですから、ナイロールタイプにレンズを入れたからそうなったのですね。 その店では、「一番薄いレンズを使いました」と言われたそうです。 薄いレンズでもナイロールに入れるには、ある程度のフチ厚がないと入りませんので、結果中心厚が厚くなっていました。 レンズも時々、外れて不快だったそうです。 当店ではフルリムフレームにしていただいて、フレームの玉型に合わせて薄型加工もしました。結果、中心厚も薄くなり、プリズム矯正で、レンズのフチ厚を鼻側と耳側で揃える効果がありました。 正確な度数で、適切な眼位矯正で、安全運転に心がけしましょう。
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