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高知 メガネのハマヤは、浜田清と久美+タカアキのメガネ店です。

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複視について 7 遮蔽

複視とは一つのものが二つに見える現象です。

複視の事例 7

60代のG様
2年前ぐらいから段々とおかしくなった。(複視になった)
病院も行ったけど「加齢による筋肉の衰え」と言われました。

右眼外斜視があります。

バゴリーニ検査で抑制のチェックをすると、完全抑制はしていませんでした。
 
・ 抑制の検査

バゴリーニ線条レンズ法
日常視に最も近い環境において検査ができるため、その検査結果の信頼性が高い。
裸眼視力は
R 0.9
L 1.0

5mでの基本度数は
R 1.2×S+0.50D C−1.25D Ax80
L 1.0×S±0.00D

矯正視力(メガネを掛けての視力)は、右眼>左眼でした。

レチノスコープで、眼を観察してみると、左眼にはやや濁りがありました。
レチノスコープです。検査には熟練を要します。
斜視量は32△〜ぐらいでした。

フレネル膜でのプリズム矯正を試してみましたが「見えづらい」とおっしゃいます。
それはそうです。フレネル膜は度数が強いほど解像力が落ちてきますから、見え方も悪くなります。

←フレネル膜プリズム

これでは車の運転も危険で、仕事にも支障が出てきます。

G様は複視になると、ご自分で右眼を閉じたり、左眼を閉じたりしていたそうです。
そのせいでイライラし、「顔の筋肉もおかしくなって、首肩も異常にこっていた」とおっしゃっていました。
(両眼の視力が良い人ほど、両眼複視が気になります)

それで、G様にはメガネで片眼を遮閉する「遮閉レンズ」をおすすめしました。
これならば眼は開けた状態で、両眼複視を解消することができます。

この場合、どちらの眼を遮閉するかです。

当店の検査では、主に偏位しているのは右眼です。
右眼を遮蔽して左眼を使うようにすれば無難かも知れませんが、矯正視力は右眼のほうが良好です。

ならば、右眼を生かしたほうが仕事がやりやすいのではないかと考えました。
(G様は建築関係の仕事をされています)

また右眼を生かすことにより、普通のレンズでプリズム矯正ができるぐらいまで、眼位が変化する可能性もあります。

で、この度数で装用テストをしてみました。
R S+0.50D C−1.00D Ax80
L 遮閉レンズ


結果、「このほうが楽だ」とおっしゃっていただけました。

では、この方向でメガネを調製していくとして、
次に右眼のレンズタイプをどうするか。

G様のお仕事は遠用も近用もしっかりと見ないといけません。
まず遠近両用両用、中近両用レンズなどの累進レンズを試していただきました。
が、いずれも「視野の狭さが気になる」と却下されました。

遠用と近用の使い分けもご提案したのですが、「それでは仕事では困る」と。

それでは、こんな方法もあります!とご提案したものが「複式跳ね上げメガネ」です。
これならば視野は狭くならないし、レンズの組み合わせでいろんな事ができます。

G様の場合、30p〜無限遠までいろんな距離を見る必要があったので、ベースの枠(本体)には近々両用レンズを入れることにしました。
近々両用は視野の狭さは気にならないとのことでした。

前枠には遠方が見える度数にして、
跳ね上げて、約30p〜約1m 近々度数
そのままで、約50p〜無限遠 遠中近度数
にしました。
使用フレームは、跳ね上げメガネ研究会オリジナルフレーム 「キャトル
 そのままで、遠近両用メガネに 
 跳ね上げて、近々両用メガネに 
 遮閉レンズが目立たないように少しカラーを入れています。
 

遮閉レンズはプリズム矯正などの光学的対応が困難な場合、複視を解消する目的で使用すると、生活の質を高めることが可能です。

  

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