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高知 メガネのハマヤは、浜田清と久美+タカアキのメガネ店です。

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複視について 6 遮閉

複視とは一つのものが二つに見える現象です。

複視の事例 6

80代のF様
白内障術後に複視が発生しました。
焦点が合わなくて、主に遠方視で複視になります。

そのことを眼科に訴えると「年だからあきらめなさい」と言われたそうです。

当店検査での基本度数は、
R 0.4×S+0.50D C−0.50D Ax20
L 1.0×S+0.25D C−1.00D Ax58
でした。
眼位は、左眼上斜視 内斜視

斜視と斜位の違い
 ・斜視
眼位(外観)
眼位異常が顕在しています。見た目にもかなり顕著な眼位異常が見受けられます。
両眼視機能
両眼視の異常があります。
両眼でものを見ることはほとんどなく、片眼でものを見ます。使わない(使えない)方の眼が偏位します。偏位眼は右眼なら右眼が常に偏位している「片眼斜視」と、左右眼が交代に偏位する「交代斜視」があります。(ただし、一般的な斜視の場合です)
 ・斜位
眼位(外観)
眼位異常は潜在しています。見た目にはほとんどわかりません。

両眼視機能
両眼視は保たれています。
両眼でものを見ることができますが、潜在している眼位異常によりスムーズな両眼視機能が発揮できません。

斜視は複視が起こることは少ないです。(麻痺性斜視以外)抑制が入るからです。
しかし、F様の場合複視があります。
ということは、斜視であり斜位でもある「間歇性斜視」、もしくは「斜視っぽい斜位」ということも言えます。

その場合、プリズム矯正で複視が改善できる可能性があります。
それで、いろんな眼位検査で、いろんな方向からF様の可能性を探ってみました。

すると R 11△B.U.(ベースアップ) 10△B.O.(ベースアウト)ぐらいで、ある検査では両眼視が可能な状態まで矯正が可能だということがわかりました。
(△はPrism dioptre。BDはプリズムのベース方向)

しかし両眼視といっても非常に不安定な両眼視で、右眼が抑制傾向になるのは同じことです。

F様にはプリズム矯正のメリット、デメリットをご説明し、「プリズム量、プリズム矯正歴、年齢、抑制、環境などを考慮に入れますとプリズム矯正はおすすめできません」とアドバイスをしました。

これはプリズム矯正でかえって複視が顕在化する(気になる)可能性もありますし、年齢から考えると強いプリズム矯正は違和感の問題で難しい。と判断したからです。

弱いプリズムから様子を見つつ徐々にプリズム度数を強くしていく「段階処方」という方法もあるのですが、これも順応能力の壁があります。

では、「複視をどうするか」です。
両眼複視は両眼を使っているから起こる現象ですから、片眼を遮閉すれば両眼複視は起きません。
そこで「遮閉レンズ」のご提案をしました。

遮蔽レンズは片眼を完全に塞ぐことになりますから、とりあえずは両眼複視は改善されます。
F様の場合、視力が弱いほうの右眼を遮蔽します。

R 遮閉レンズ
L 1.0×S+0.25D C−0.75D Ax58
の度数で試していただきました。
結果、煩わしい複視が解消されるこの方法で調製することにしました。

 遮閉レンズと普通のレンズです。
 
 レンズを曇りガラス状に半透明にしています。
「オクルーダー」と呼ばれています。
 
 オクルーダーレンズは人から見られた場合、こんな感じで見られます。
眼帯で遮閉するよりも、見た目の違和感は少ないです。 
片眼遮閉は複視の自然治癒が期待できるならば、しないほうがいいです。

遮閉レンズはプリズム矯正などの光学的対応が困難な場合、複視を解消する目的で使用すると、生活の質を高めることが可能です。
  

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