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レンズの知恵

球面設計レンズと非球面設計レンズ

メガネの単焦点レンズ(遠近両用ではないレンズ)には、球面設計のレンズと非球面設計のレンズがあります。

ここに、某レンズメーカーの比較説明用の見本があります。これは球面設計のレンズと非球面設計のレンズを中心部から半分に切り取って、貼り合わせたものです。

向って左半分が非球面レンズで、右が球面レンズです。

このレンズ見本から40p離して写真をとってみました。


この写真を見ると、あきらかに球面レンズのほうのマス目が歪んで見えています。

これを見ながら、非球面レンズをすすめられたら、
「球面設計レンズと非球面設計レンズはこんなに歪みが違うんだ。非球面設計のレンズにしよう・・・・」と思われるとかたも多いと思います。

が、この見本には大きなカラクリがあります。

そのカラクリとは。

まったくもって単純なことで、この見本は人間がメガネを掛けてモノを見る状況とはまったく異なる状況で比較した見本なのです。

通常、メガネを掛けてモノを見る場合は、目から1cmぐらい前にレンズがあって、そのレンズをとおして何センチ〜無限遠を見ます。

ところが、この見本はレンズを手にとって、メガネと同じ条件にして見てもらうようなものではなく、マス目から8p程度離れたところにレンズを固定して、カウンターなどの上に置いて、40p〜50pぐらいの距離から見てもらうようになっています。


これでは、まったくメガネレンズとしての光学性能の比較はできません。
まったくあほらしい見本です。

レンズ見本の接写をしてみました。

どうでしょうか、歪みぐあいは左右でほとんどかわらないと思います。
この写真のほうが、実際のメガネレンズの状況に近いです。

では、非球面設計レンズのメリットはないのか、といいますと、そんなことはありません。メリットもあります。

それは、非球面レンズは「レンズのベースカーブを浅くして、やや薄目のレンズを光学性能をあまり落とさずに作れる」ということです。

ベースカーブは、レンズの厚みと光学性能に関係してきます。
球面設計レンズでは
カーブ \ 光学性能・厚み 光学性能 レンズの厚み
ベースカーブが浅いと 悪くなります 薄くなります
ベースカーブが深いと 良くなります 厚くなります
と、いうことになります。

レンズの厚みを気にするかたが多いので、ベースカーブの浅い非球面レンズが普及してきたという訳です。

たとえば近視のかたで

こちらのごく一般的な大きさ(51サイズ)のフレームに、屈折率1.6素材のプラスチックレンズで、大人の一般的な瞳孔距離62oでレンズを入れた場合の球面と非球面での最大コバ厚です。
度数 \ 設計 球面設計レンズ 非球面設計レンズ
近視度数 最大コバ厚 重量 最大コバ厚 重量
S-1.00D(弱度) 2.2o 3.5g 2.0o 3.0g
S-2.00D(弱度) 2.5o 2.9g 2.4o 2.9g
S-3.00D(弱度) 3.2o 3.4g 3.0o 3.3g
S-4.00D(中度) 4.0o 3.9g 3.7o 3.8g
S-5.00D(中度) 4.7o 4.3g 4.4o 4.2g
S-6.00D(中度) 5.5o 4.8g 5.1o 4.7g
S-8.00D(強度) 7.1o 5.8g 6.7o 5.7g
S-9.00D(強度) 7.8o 6.2g 7.5o 6.1g
S-10.00D(強度) 8.7o 6.7g 8.4o 6.6g
「これぐらいの差」になります。
枠の玉型が小さければ、この差はもっと少なくなります。(玉型が大きければ差は増えます)
この差を大きいと感じるか、小さいと感じるかはお客様次第なのですが、度数が弱度の場合は球面設計のレンズでもそんなに厚くなりませんので、非球面のメリットは少ないと言えます。
その割に、球面設計レンズよりも非球面設計レンズの方が価格が格段に高ければデメリットがメリット上回るのではないでしょうか。

中度〜強度になれば、ベースカーブの浅い非球面設計の方が厚みの点では有利になりますが、(それでも極端な差ではありません)ベースカーブが浅くなることの問題点もでてきます。

ベースカーブが浅い、非球面設計レンズの問題点とは
球面設計レンズに比較して
・パワーエラーの関係でレンズ周辺部の見え方に、不満がでることもあります。
・前傾角(レンズの傾きの角度)などの不適合により、見え方に不満がでてきやすいです。

ですから、メガネの角度などの調整がし辛いフレームには、非球面設計レンズは入れない方が無難だということが言えそうです。

それと、球面設計のレンズを使用していたかたが、非球面設計のレンズに買い替えた場合、ベースカーブの違いに違和感を感じる場合があります。

では、遠視のかたはどうなるかといいますと

上記と同じフレームに同じ素材のレンズで、レンズ外径65oを使用しての
最大中心厚です。
度数 \ 設計 球面設計レンズ 非球面設計レンズ
度数 最大中心厚 重量 最大中心厚 重量
S+3.00D 3.8o 6.2g 3.3o 5.3g
S+6.00D 6.5o 10.3g 5.6o 8.6g

遠視系のかたのレンズは、凸レンズになりますので、中心が厚くなります。
凸レンズの場合、球面設計レンズと非球面設計レンズとの厚み差は、近視系のかたの凹レンズよりも大きくなります。

非球面設計レンズは近視系のかたよりも、厚み、重量の点では遠視系のかたのほうがメリットがありそうです。

しかし、凸レンズをフレームの形に合わせて設計する「薄型加工」をすれば

度数 \ 設計 球面設計レンズ 非球面設計レンズ
度数 最大中心厚 重量 最大中心厚 重量
S+3.00D 3.2o 5.0g 3.0o 4.7g
S+6.00D 5.3o 7.9g 4.9o 7.2g
になるのです。
ということは、遠視で弱度のかたは球面設計レンズに「薄型加工」、遠視で中度以上のかたは非球面設計レンズに「薄型加工」が有効だと言えます。
非球面レンズは、裏面反射が多くなる場合もあります。  
裏面反射は普段は気にならなくても、レンズが光を受ける角度によりましては、非常に煩わしく感じるかたもおられます。

球面レンズと非球面レンズの比較で、できるだけ反射が出てくる角度で撮影しました。↓
カメラは三脚で固定していますから、二つのレンズは、まったく同じ条件で撮影しています。
  
球面レンズ
S−1.50D
屈折率1.6
  
非球面レンズ
S−1.50D
屈折率1.6
裏面反射が多いです。
写真のレンズはお客様が購入されたレンズです。
上の写真は当店で球面レンズを購入されました。
下の写真はA店で非球面レンズを購入されました。

お客様がおっしゃるには、A店のレンズは「ある状況になると、青いスジが見えて視界がぼやける」。
そういうことを購入店に訴えたけど「レンズには問題ありません・・・」と言われたとのことです。

それで、当店にご相談に来られました。

「S−1.5Dの近視弱度度数」で、非球面レンズはデメリットのほうが多くなる・・・・と思いますが、店の方針で非球面レンズをおすすめしたのでしょうね・・・・。

裏面反射などが気になるかたは、レンズの「アッベ数」をチェックしてください。
アッベ数が高いほど、レンズの光学性能が良くなります。

こちらにもどうぞ→「ガラスレンズの知恵

高額なレンズだから光学性能がいい・・・とは言い切れません。

まとめますと

・メーカーの宣伝を鵜呑みしないでください。誇大なものも多いです。

・近視系の弱度では、球面設計のレンズで、厚みも軽さの点でも十分です。

・遠視系のかたは「薄型加工」が薄さ、軽さの点では有効です。

・強度近視、強度遠視、中度遠視、強度乱視のかたは、非球面設計のメリットはありますが、フレームを小さめにすれば球面設計レンズでも薄く、軽くなります。
(ウスカルフレームは、レンズを薄く、、軽くすることができます)

・カーブの深い球面設計レンズとカーブの浅い非球面設計レンズを比較して、光学性能はあまり変わりませんが、強度乱視ではレンズ周辺部の見えかたは、両面非球面設計レンズにメリットがあります。

・顔の輪郭線の入り込みは、カーブの浅い非球面設計レンズがいいのですが、これも小さめのフレームにして、レンズを目に近づけるフィッティングをすれば球面設計のレンズでも十分です。


当店は基本的に近視系の弱度のかたには、球面設計のレンズをおすすめしています。

遠視系の中度以上かたは、レンズの中心部の厚みが目立ってきます。見栄えを少しでも良くするために、非球面設計レンズをおすすめします。


  
レンズ厚み見本を置いています。
 実際に、レンズの厚みを確認して、レンズ選びの参考にしてください。
  
アイパッドで、「中心肉厚」、「コバ厚」」、「床高」の計算ができます。
画像でもレンズ選びの参考にしてください。
 
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